こんにちは。うしです。
皆さん絵本は読まれるでしょうか?
小さなお子様がいるご家庭はよく目にすることが多いでしょうし、大人が読んでも楽しめる絵本もずいぶんありますよね。
我が家では子どもが保育所から絵本を毎週借りてくるのですが、それを一緒に読むと自分自身も楽しんで読めるので、絵本は好きです。
この間久しぶりに「ムッシュ・ムニエル」シリーズを読みました。
この絵本、子どもの頃、大好きだったんですよね。
小さい頃の主観ですが、ちょっと不気味な雰囲気が子ども心にちょっとした不安感と浮遊感を感じたように思います。理不尽っぽいことが起きるの。理不尽な理由で。
そこにドキドキ感を感じていたように思います。
こわいの、でも気になるの。そんな心境。
「ムッシュ・ムニエル」シリーズの作者は「佐々木マキ」さんという方です。
そもそも、久々に「ムッシュ・ムニエル」を読もうと思ったのは、子どもが「佐々木マキ」さんの「ぶたのたね」という絵本を保育所から借りてきて、なつかしの「ムッシュ・ムニエル」を思いだしたことがきっかけです。
「ぶたのたね」もすごいおもしろい。
佐々木マキさんの絵本をいくつか読んだのですが、どれも楽しめました。
というわけで、レビューさせていただきます。
作者について
佐々木 マキ(ささき マキ、男性、1946年10月18日 – )
日本の漫画家、絵本作家、イラストレーター。神戸市出身。京都市在住。1966年、『ガロ』掲載の「よくあるはなし」で漫画家としてデビュー、同誌を中心に実験的な漫画家として活躍。1973年からは絵本の分野に活動の場を移し、『やっぱりおおかみ』や、『ムッシュ・ムニエル』シリーズ、『ぶたのたね』シリーズ、『ねむいねむいねずみ』シリーズなど、ナンセンスな味わいのある絵本を多数発表している。また村上春樹の著作をはじめとして、イラストレーターとして多数の装画や挿絵を手がけている。「佐々木マキ」は筆名。
・・すみません。女性だと思っていました。
佐々木マキさんの絵本は、ナンセンス絵本と言われる種類に分類されるようです。
絵本の種類には、主に
幼年絵本
ストーリー絵本
ナンセンス絵本
というのがあります。
ナンセンス絵本というのは、ストーリー絵本のひとつで、おはなしがあるわけではなく、理解しようとするとドツボにはまるというジャンルです。まあ、謎な感じなわけです。
佐々木マキさんの絵本はまさに、これですね。
読者に絶妙、靄(もや)をはってきます。
佐々木マキさん【絵本】レビュー
「ムッシュ・ムニエル」シリーズ
対象:4歳~
「ムッシュ・ムニエルをご紹介します」
あらすじ
やぎの魔術師ムッシュ・ムニエルは弟子を探しにとある町へやってきます。
元気で利口そうな少年を見つけて、魔術で少年を攫(さら)おうとしますが・・・・
感想
まず、ムニエルの見た目がもう、素敵。
どこを見ているか不明な感じとか。とぼけたような雰囲気でダブルボタンの黒いコートとあやしいトランクを持って、街を行く。ポリスマンも「こいつあやしいぞ」というような目を向けます。
しかも弟子をとるのに、攫うとか、さらっと言います。
しかも、目に入った、よさそうな子どもを当たり前のように攫おうとする。その思考が怖い!ほら、考えて読むほどドツボにはまりそうな気がしませんか?
ナンセンス!
魔術師で子どもを攫おうとするからってムニエルは悪人ではありませんよ。
当たり前のように、自分の当たり前に乗っ取って行動しているわけです。
小さなころ、大人の思い付きで子どもが攫われるなんて、ひぇっ!と思った記憶がかすかにあります。世の中の理不尽は、それぞれの自分の当たり前を遂行することによって発生する場合があるのだと思わせてくれます。
などと考えて読むと、ドツボにはまるので、何も考えずに読んでみてください。
絵柄はコミックな感じでかわいらしく、きれいなので、絵を見るだけでも楽しいです。
いや、ほんと、好き。読んでいただきたい。
「ムッシュ・ムニエルのサーカス」
あらすじ
やぎの魔術師ムッシュ・ムニエルが魔法のパイに乗って、遊園地の上にやってきて、観覧車と接触。落ちた先には、サーカスの手品師。ぶつかった拍子に手品師のしかけが、すべて逃げてしまい、代わりにムッシュ・ムニエルがサーカスで魔法を披露することになるのですが・・・
感想
「ムッシュ・ムニエルをご紹介します」の続編。
絵柄が変わっています。前作からムニエル顔違います。見た目の不気味さがマイナス10くらいになっています。絵はより細やかに、遊園地やサーカスの観客一人一人までに表情があるという、素晴らしい描きこみっぷりで読み応えも十分です。
ムニエルの表情が面白い。
お話は、今回はムニエルがてんやわんやしています。もちろん周りは巻き込まれますが。
サーカスで魔術を披露するのですが、もう、むちゃくちゃです。お客さんが卵になったり、ライオンがカエルになったり。そのタイミングが面白い。苦しいドミノ倒しみたいな雰囲気。
長男5歳はこっちのお話の方が好きなのか、何回も読んでとせがまれました。ナンセンス度は「ムッシュ・ムニエルをご紹介します」より低め。
このお話は「オチ」が素晴らしい。
ぜひ読んでいただきたい。
「ムッシュ・ムニエルのおつきさま」という続編もあります。
今回は読んでないんで、また読みたいです。
「ぶたのたね」シリーズ
対象:3歳~
キツネ博士にもらった「ぶたのたね」を植えて、ぶた(の実)を思いっきり食べるんだ!!
ストーリーはシリーズ共通です。どの絵本も、足の遅いおおかみがぶたを食べたくて、キツネ博士からもらった「ぶたのたね」を植えて、育てて・・・といった話です。
絵柄はとってもかわいい。ぶたなどは愛くるしい顔をして「やーい、おおかみ、ここまで おいで、あっかんべー」などとおおかみをおちょくります。なかなか嫌なぶたです。おおかみはおおかみらしく、めっちゃぶたを食べたがっている。でも間が悪かったり、若干とんまです。
普段は何を食べているんでしょうか。
「ちょ!ちょ!!なにごと!!笑」
と読みながら、大笑いしてしまいました。
なんせ、ぶたが憎たらしいですよ。見た目がかわいいから、それがまた、憎たらしさを増長するわけです。
ムッシュ・ムニエルより、ナンセンス度は低い気がしますよ。だから誰でも読みやすい。楽しくなっちゃう。
まとめ
絵本のことをおすすめする私ですが、自分が小さい頃は絵本をあんまり読まなかったそうです。私には2歳離れた姉が一人いますが、姉が読んでもらう本は私には興味がないもので、本自体が興味薄いものになってしまったのかもしれません。2才の子に5才向けの本は集中しにくいです。
年齢に合わせた本、あるいは全年齢が眺めて面白いと思う本でないと、興味を持つのは難しい。絵本に興味をあまり持てなかった私は、夜寝るときに母が話してくれた、田舎の話、戦争の話、おとぎ話、作り話などが好きでした。それは、現在の想像力や妄想力の源になっているような気がします。
心の中に自分で絵本を描いていたのだと、今では思います。
子育てをしている今なら分かります。絵本や本は興味を開拓する素晴らしいツールということを。
その時にしか感じられない感想、その時に感じ取った雰囲気、その時に理解したことというのを子どもには大切にして、自分を培っていってほしいと思うし、自分もそうやって生きていきたいなぁと思います。
色んな絵本に子どもと一緒に触れてみたいと思います。